終わりよければすべてよし

ひとり親卒業日記

予備校の七不思議

予備校というところに所属してわかった、不思議なこと。

 

その一

入塾前にレベル分けテストは実施しない。

これはおそらく、一番下のクラスに入るなら嫌だと思う生徒もいるかもしれないからだろう。しかも、そのレベル分けテストは、およそ志望校の問題とはかけ離れた形式のもので、何科目もやる割には、一部の科目でしか区別をしない。そして、どうやら一年置きに同じ内容のテストをやるらしく、ネットを見ると一部2千円くらいで過去問が公然と販売されている。本部に問い合わせると、実は内部でもそのテストは内容的にも問題になっているらしく、改訂しようと言われているそうだが、実際に改善するかは怪しい。

 

そのニ

途中でもう一度クラス分けテストを実施するが、数名の生徒が上に上がれる以外、クラスが変わることはまずない。

つまり、何が言いたいかというと、純粋に実力順に、上から下まで順位をつけて、クラス分けをするわけではないのだ。そうなると、一番下のクラスにいながら、かなり上位の模試成績を出す生徒は、やるせない気持ちになる。だが、本当に実力順に分けてしまったら、どうなるか。一番下のクラスは、どうやっても最上位クラスには追いつけないほどの開きがあることが明白となり、みなやる気をなくして頑張ることを放棄したり、最悪途中で予備校を辞めてしまう恐れすらある。そこで、虎の尾を踏むことのないように、予備校の経営側からすると、案外首尾よくやっているとも言える。だがそこに、本当に生徒ひとりひとりのことを考え、志望校に合格してほしいと思っているのか、甚だ不信な気持ちになる。授業料さえ集めれば、あとは満足なのか。合格実績5割くらいという数字も、聞かれない限りは決して答えない。

 

その三

人気のある講師の授業には、もぐりの生徒もかなり存在するが、特に取り締まる様子はない。生徒数が多いと、配布するプリントが足りなくなったり、大人数になりすぎて、授業中お喋りを始める生徒すらいる。これには講師も呆れ、最終的には爆発する。

 

その四

授業を切る場合の対応がさまざま。

授業を切り、予備校内の自習室で自分の苦手科目の勉強を熱心にしていると、見つかった場合はひどく叱られることもある。が、予備校の外や自宅で自習する場合は、まったくお咎めなし。

 

その五

数学においては、講師自身が最適解を知らなかったり、英語においては、完全にジャパニーズイングリッシュの発音の講師が存在する。また、英作文の添削と言って提出させるが、返却されたものを見ると、模範解答がそのまま赤字で書いてあったりする。

 

その六

予備校主催の模試は外部生より早く受けさせるが、当日に解答をもらえないため、忘れないうちに生徒が復習をすることができない。

 

その七

数学のテキストを見ると、東大志望向けに作られているはずが、実は京大の入試形式に近い場合がある。

 

以上、自分に合った塾や予備校選びというものは、いつの時代でも難しいだろう。

 

だが、たとえたったひとりの講師でも、素晴らしい先生に出会えたなら、そこに入る価値は十分にあるのかもしれない。

 

これはきっと、大学においてもそうだろう。一生の恩師と呼べるような教授に出会えるとしたら、こんな素晴らしいことはない。