終わりよければすべてよし

ひとり親卒業日記

息子の推論

これから書くことは、あくまで受験生の息子の推論に過ぎないことをまずは、ご承知願いたい。

 

2019年東大入試において、史上初めて、文科ニ類が文系トップに躍り出たと、世間を騒がせた。合格者最低点、最高点、合格者平均点ともに、すべて文科一類を上回る結果になったのだ。

 

そこでメディアは、法学部から官僚になるコースの不人気や、昨今の経済学部人気から、より高得点層が文科二類を志願するようになったのではないかと書いたりした。

 

しかし、それについては、息子は疑問に思っている。そもそも学部の人気傾向は、一年で極端に上がるものではなく、何年かかけて徐々に上がるものではないかと。なので、突然、文科二類だけが、10点近く例年の合格者最低点を上回るのは謎だと。

 

昨年の東大模試において、科目別の平均点を見ても、数学では、文一も文ニも文三も、そうは変わらないという。ところが、本番の入試では、なぜか文ニの数学の平均点だけが、他よりも8点ほど高く出たらしい。その8点こそが、文一との最低点の差におよそ等しいのだ。つまり、数学の点数によって、最低点に差が出たのではないか。しかし、必ずしも数学が得意なひとだけが文ニを志望するわけではない。得意なひとは、文一にも文三にもいる。そこで考えられるのが、ひょっとしたら文ニの数学の採点基準が多少甘かったのではないかという憶測だ。採点が甘いと、部分点もこまめにくれるので、数学が苦手で白紙の答案の受験生よりは、どちらかというと得意で、完答はできなくても、なんとか必死に解いた生徒の方が点がもらえることになる。ただ、息子の場合に限って言えば、2問は完答したつもりで、他で部分点があれば、40〜50くらいはいくと踏んでいた。だが、実際には40弱。一番ひとと差をつけられる科目と考えていた息子にとっては、かなりのショックだった。

 

だから、必ずしも全員に、甘い採点だったとは言い切れない。ただ、人数が多いため、たったひとりの採点官が採点するわけではないから、証明問題など、どうしてもひとによる誤差は出て仕方ないだろう。採点を甘くする方が、より数学が得意な生徒を取れるから、そうすることにしたのは理解できると。

 

今年度の東大模試はほとんどが終了したが、昨年の結果を踏まえ、文一や文三志望が増加し、逆に文ニ志望は減少しているという。ただ、センターの結果を見て出願するので、最終的にどうなるかはわからない。息子の読みでは、おそらく高得点層が文三を志望するというより、ぎりぎり合格基準点あたりにたくさんいる層が、主に文三を志望しているのではないか。そうなると、東大受験生の場合、だいたい皆、センター試験は得意なので、文三足切り点数が相当高く出るのではないかと予想している。もっとも、昨年はセンターの平均が上がったが、今年はどうなるかわからない。国語の難易度次第にもよるだろう。

 

国立はどうしても厳格な定員があるので、全員を受からせるわけにはいかない。ただ、少しでも、入学してから一生懸命頑張る意欲のある学生に、桜が咲くことを願ってやまない。