終わりよければすべてよし

ひとり親卒業日記

合格して笑顔を見たい

あれは一年前のこと。

 

ある番号を親子二人で探していた。ちょうど掲示板の前には長い行列ができている頃だ。

 

掲示板を見に行くはずだった自分は、まるで何が起こるか予知していたかのように、朝方ホテルの部屋で激しいめまいに襲われる。

 

だめだ。このままではとても外出はできない。仕方ないから、とりあえずはWEBで合否を確認しよう。

 

果たして、番号は、、、

なかった。

いくら探しても、何度見返しても、やはりなかった。

 

信じられなかった。

 

あの日の驚きとショックから、一年が経過した。

 

我が子と同じか、それ以上の成績を取っていても、浪人生にとってやはり、一年前の記憶は抜け切ってはいない。

 

現役で入学できる大学は、他にもあったはずだ。だが、どうしても第一志望の大学に入りたくて、誰も仲間が浪人をしないなか、あえてその茨の道を選んだ。

 

その道は、想像以上に、苦しかったはずだ。途中途中で、精神的に病んでしまったり、身体に異変が起きたりする受験生は決して少なくはないだろう。

 

それでもまた、この同じ時期に、大学は再び門戸を開いてくれる。

「どうだい? 君はこの一年で成長できたかい? すべては、君の生み出す答案用紙に、答えは書いてある。君がこの一年、何を勉強し、何を向上させてきたのか。昨年の君に足りないものは、何だったのか。それは必ずしも、学力だけではないはずだ。謙虚な姿勢であったり、周囲への感謝だったり、つまずいたあとにすぐに切り替えて次に進む勇気であったり。今年の答案用紙に、君の成長ぶりはすべて映し出されるよ。たった一回の試験というのは、ときに残酷かもしれない。違う問題なら解けたということもあるだろう。それでも、君にとってはこれが最後のチャンスだよ。もちろん、さらに一年頑張るひともいるだろう。でも君は、そろそろ受験勉強という形ではない、学問への純粋な探求という形で、学びを始めた方が良さそうだ。本来なら、それはどこに進んだとしても、やる気さえあればできるだろう。しかし、せっかく第一志望の大学に入るために、一年という大切な時間を割いてきたのだ。君がどんな答えを書いてくるのか、君の望む大学は楽しみに待っているよ。」

 

今は、ただ信じていよう。

信じることでしか、不安は払拭されない。

 

大丈夫、大丈夫。

 

すべての受験生が、力を最大限、発揮できますように!!