終わりよければすべてよし

ひとり親卒業日記

「3人のシングルマザー」木村多江出演を観て

本日、ちょうど録画をしていた、実話をもとにしたドラマを一部観た。もしこれから観る予定の方にはネタバレになるので、あとで読んでいただきたい。

まず、第一話は木村多江さん主演で、夫と死別後、ひとりで2人の息子さんを育て、見事2人とも東大に入学した話であった。

観ていて、共感したところも多く、時には涙をこぼしながらテレビの前にいた。

主人公のお母さんは、まだ息子さんたちが6歳と4歳の頃に、ご主人が大腸がんになり手術をする。しかし、余命は3か月から半年と宣告される。宣告はお母さんだけにされたようだが、ご主人は製薬会社に勤務していて、処方された薬の名前や医師の態度で、なんとなく自分がそう長くはないと悟り、妻にはっきり教えてほしいと伝える。泣きながら妻が伝えると、残された時間の中でお父さんは、できる限りのことを家族のためにしようとする。

長男が高校に上がると、学校をサボってゲームをしたり、三者面談でも先生からはっきりと言われる。「うちは名だたる進学校ですから、息子さんの成績を見ると、授業にもついていけていないのではないかと。このままでは希望する国立大学は厳しいし、とはいえ、ひとり親家庭ですと私大は学費がたいへんですよね。」

自宅に帰宅後も長男は荒れた様子で、母につい暴言を吐く。いつも優等生の弟だけがお母さんの息子だったら良かったなと。そこで母は平手打ちをし、自分も精一杯仕事をしてきたと言う。しかし、長男はひとこと。「お母さんをやってないじゃないか。お母さんなら、ごはんを作るでしょ。」と返す。

確かに、パートとは言え、帰りが遅くなるときは手作りのごはんを用意はしてやれなかった。そこで、本来はお料理上手なお母さんは、生前お父さんが大好きだったグリーンカレーを息子たちに作る。

それを頬張りながら長男は、昔を思い出して涙を流す。そして、ある決意をするのだ。

長男は母に手紙を書く。「日本一の大学を目指す。」と。

現役時は不合格だったが、合格した私大を蹴り、一浪して東大を再び目指す。

そして、お母さんと一緒に赤門をくぐり、受験番号を探す。果たして番号は、、、確かにあったのだ。

続いて弟もやはり東大を目指し、彼の方は現役で合格をする。

お母さんが言っていた印象的な言葉。「子供たちのやりたいことは全部やらせてあげたい。」

これは、私もずっと同じように思ってきたことだ。お父さんを蘇らせることはできない代わりに、挑戦してみたいことは応援し、やりたくないこと、望んでいないことは無理強いせず、三人とも皆、思い通りに本人の意思を尊重して接してきたつもりだ。

もちろん、ドラマの中でのお母さんとは異なる点もたくさんある。まず、私は子供たちの前でもたくさん弱音を吐いたり、泣いたりする姿も見せた。他に甘えられなかった分、我が子に支えてもらうしかなかった。

また、経済的にはまだ余裕があったため、仕事よりも炊事を優先させて、できる限り手作りの美味しい料理を振る舞ってきた。学校のお弁当や、部活のお弁当、塾弁など、ほぼサボることなく、すべて手作りのおかずと炊きたてごはんでまかなってきた。

子供の人数が増える分だけ、それぞれ違った対応も必要となり、上の子が下の子を見るという機会をあまり作れないまま、ほとんど自分ひとりで子育ての負担を背負ってきた。

そうしていくうちにどんどん身体の不調が増え、以前はやれていた仕事や多少の趣味、翻訳スクールでの勉強など、一切できなくなっていった。

やはり、ひとり親であろうとなかろうと、身体が万全でないのは辛い。

また、子供がたとえ難関私大や東大に入ろうと、それはどこまでも本人の頑張りと気力だと思う。母親が偉いとか、そんなふうに考えたことなど一度もない。

また、あくまで本人が目指す場合に受験をすれば良いのであって、すべての学生が早慶や東大に合うわけでもないだろう。

今、次男はサークル活動もスタートし、生き生きと学生生活を送り始めたところだ。学内ではマスクが必須のため、たとえ私のようにパニック障害ではなくても、長時間のマスクは息苦しいようだ。

また、ふだんならあるはずの、学生同士で集まる食事会もご法度だ。

しかし、仕方ない面もあるのだろう。高齢の教授の方も多いなか、学生から感染することを非常に恐れているケースもあるようだ。

さて、そろそろ眠くなってきた。ひとりだと、好きな時間に眠る自由があるのはいいことだ。

ドラマの残りは、後日また観るとしよう。

皆さま、おやすみなさい。