終わりよければすべてよし

ひとり親卒業日記

娘の婚約者との電話

先日、娘のマンションに滞在中のこと。夜に娘が彼と電話をしていた。

以前、婚約指輪を選んだ日にお会いしたきり、一度も話しをしていなかったので、私が「代わろうか?」と声をかけた。昔ながらの「お嬢さんを僕にください。」的な挨拶は特になかったとはいえ、仮にも来月から正式に娘と同居を始めるにあたり、単なる同棲ではないのだから、親の私にひとことくらいあってもいいだろうと思っていたからだ。

 

そして、少しだけ話すことになった。

私「先日、ご両親と電話でお話させていただきました。おっしゃってましたよ。三人の中でも一番優しい子なんですと。」

彼「いや、自分は優しいというよりも、気が弱いだけなんです。今の仕事も急に残業が増えて、納期に追われる感じで。疲れているはずなのに、早朝覚醒してしまうことも増えて。それで転職を考えまして、先日内定をいただけました。それでいずれは引っ越すことになりますが、来月からお嬢さんのお住まいにまずは同居させていただくことになりました。」

 

私「この時期によく決まりましたね。それはおめでとうございます。睡眠にまで影響が出るようなら、変わった方がいいと思いますよ。」

 

と、こんな感じで、ようやく二人が一緒になるという挨拶をいただけた。

 

自分は気が弱い、そんな自分の弱いところを素直に伝えてくれて、むしろ嬉しく感じた。見た目は女の子らしいが、根は男勝りの娘と、案外ちょうどいいバランスなのかもしれない。

 

今でも覚えているエピソードがある。娘が現役生として予備校に通っていた頃の話だ。娘は声が小さく、見た目はとてもおしとやかに見える。そのため、早稲田大学に合格したときに、同じ大学に通う先輩のチューターさんたちが「あの子が早稲田でやっていけるのか?」と心配してくれたらしい。「それが今ではこれだもんな。」と一年くらい経過した頃、同じチューターとしてのバイト仲間での飲み会で話題になったようだ。

 

娘と彼は休日がバラバラだ。そんな状態ですれ違いはないかと私が聞いてみると、娘はこう言った。

「お互い、ひとりの時間も大切だから、ちょうどいいんだよ。そういうところも似ている。」と。

 

まあ、いずれにせよ、二人の生活が始まったら親はもちろん口を挟むべきではない。

 

あとは黙って、若い二人の幸せを願うばかりだ。