終わりよければすべてよし

ひとり親卒業日記

「二月の勝者」を読んで

先日、以前から題名だけは知っていたが一度も読んだことはなかった、中学受験をモチーフにした人気漫画「二月の勝者」を初めて読んだ。

 

もしもこれから読もうとされている方がいたらネタバレになってしまうので、ここではあまり詳しくは書けない。

 

が、現実の中学受験の世界がこれほど過酷な世界であるとは、想像もしていなかった。作者は綿密な取材の元に、この漫画を描いているそうだ。

 

田舎にいると、ほとんどの小学生が当たり前のように地元の公立中学に進学する。そこで高校受験に挑めば十分だと思っているし、そもそも2〜3年かけて地元にはひとつもない中学受験専門塾に通わせ、6年間私立の中高一貫校に行かせられるご家庭ばかりではないと思う。幼稚園のときも、園児の家庭状況を調査すると、三人きょうだいの割合が一番多く、一人っ子は少数派だった。

 

また、地元ではどちらかというと、勉強よりもスポーツの方が盛んだ。少年団で全国大会まで進むような種目もあり、かなりハードな練習をしている。

 

漫画にもあったように、スポーツや芸術で秀でると褒められるのに、なぜ勉強を頑張ると、親に無理矢理やらされてかわいそうというマイナスイメージになるのかと問われている。これには自分自身の小学生時代を振り返っても苦い思い出がある。高学年では自ら全科目を予習して授業に臨んだ。当時は実力テストの学年順位を記載されていたが、小学4年から6年までずっと学年一位だった。しかし、周りからは「ガリ勉」などとからかわれることもあり、公立中学に上がるやいなや、キャラを変えた。授業中はお喋りしたり、テスト前以外はまったく勉強しなかったり。小学生当時の私だったら、都心にいたら中学受験も喜んでしていたかもしれない。

 

ただ、やはり今東大に通う息子には、大手の中学受験塾はもしかしたら合わなかったかもしれないと改めて思う。特に算数。やり方をあらかじめ教わるのは嫌いで、まずは自分の頭で考えて考えて、一番最適な解き方ではなくても、最後にはなんとか正答を導き出す。この粘り強さと集中力、ひらめきの力の原点は、地元のゆるい個人塾に自由な形で通うことで培われたように思うのだ。受験した学校もたったひとつだったが、過去問すらあまり解いた記憶はないという。なんとなく自分で本屋さんに行き、ひととおりの参考書などを買い求めて、一般的に中学受験で何を問われているのかを、自分なりにノートにびっしりまとめて、問題を予想したような形だ。

 

今月は合わせて4日分の共通テストの一部の科目を、モニターとして受験する。

難化したと言われる数1Aは、文章が多くて読むのに疲れ、センターと違い時間は余らなかったが満点だったという。もちろん本番の受験生とは違い、まったく緊張しない状態で解けたことは大きな差だ。昨年のセンター試験直後は、今にも倒れるかと思うほど、真っ青な状態だったのだから。

 

何かを目指して、限界まで頑張る。

それが受験でなくても、もちろん素晴らしい。

 

ただ、この冬にそれぞれの道を目指して必死に頑張っている、全受験生の皆様、並びに支える側の保護者の皆様に、大きな大きなエールを送りたい。

 

どうかどうか、明るい春が来ますように!!

 

https://youtu.be/0t62AbOiKLg