終わりよければすべてよし

ひとり親卒業日記

たまには次男について書いてみよう

今のカテゴリーに所属していてどうしようかと思うのは、そもそも私自身が親として次男を東大に入学させるべくエリート教育をしたわけでもない。また、息子自身も幼い頃からガツガツと勉強ばかりをしていたわけでもない、からだろうか。あまり、参考になるような話しも特にはないのだ。それでもあえて、次男について振り返ってみるなら。

 

幼稚園の頃、お絵描き帳に好きに絵を描く時間があった。普通なら絵を描くところ、次男はノートにただただ、びっしりとクレヨンで数字を書いていた。実際、絵はあまり得意ではなかったようで、夏の季節に「海に行った思い出」として、海を描いたことがあった。先生が、どうして人は描かれてないの?と聞くと、溺れているからと答えたそうだ。本人はただ、人を描くのが面倒だったようだ。

 

年中さんで通い始めた珠算学校。先生がそろばんのはじき方を教えても、本人は先に暗算で答えを出して、辻褄が合うように答えをそろばんに置く。そのやり方はだめだと何度注意されてもやめない。手先があまり器用でないため、珠を細かく正確に弾くのが苦手だったようだ。普通は暗算するにも、頭の中にそろばんを置くか、空中でそろばんを弾くものだが、彼の場合はすべて頭の中だけで計算する。もちろんそういうやり方では限界があるから、姉は暗算二段まで取れたが、次男は暗算初段で終わった。

 

小学校時代は野球にハマり、少年団でハードな練習をこなしながら、いつの間にか甲子園やプロ野球の試合を見ながら、結果を予測するようになった。解説とほぼ同じことを、解説者が語る前に言うようになった。少年団を辞めたあとは、もっぱら野球やオリンピックのゲームにハマっていた。本気で勉強を始めたのは、小6の夏。いま思うと短期間の受験勉強でも勝算はあったのか。とにかく夢中になって、ゲームよりも面白いと言いながらほとんどの時間を勉強に当てていた。中学受験の経験のない私は、すべて本人に任せていた。確か、合格最低点の少し上くらいで合格したと思う。過去問については、一切やった記憶はないという。

 

中学に入ると、ちょうど勉強の面白さに気づいたばかりということで、とても張り切っていた。初めて受けた中間テストでは、学年で20番以内。意外と上の方なんだなと私は少し驚いた。だが本人は、この頃から絶対に一位を取りたいと強く願望するようになる。そして、中高6年間塾も家庭教師も通信講座もやらなかった彼にとっては、唯一張り切る場所が定期試験だった。いま思うと、毎回の定期試験だけは、常に本気モードで2週間前くらいから準備していた。しかし、授業はというと、眠りの○○と言われるほど、よく寝ていたらしい。何も言わずに休ませてくれる先生の授業は寝て、怒る先生の授業は起きていた。寝ていた授業は、テスト前に友達からノートを借り、代わりに数学を教えていた。よくまとめられたノートは、下手な授業よりもよほど頭に入る、などと言いながら。

 

模試については最初から良かったわけではない。高2のときの模試は東大C判定。高3に上がってから常にA判定を取るようになった。当時の本人は、「よくA判定でも落ちるひとがいると言うのは、Bに近いAのひとだよ。」などと言い、自分の実力と実際の入試において、乖離があるなどとは想像もしていなかったに違いない。

 

本番の入試については、本人の自己採点よりはかなり低い結果となったよう。やはり、高校の補講だけでは、予備校や塾のようにリアルな情報を得にくい状況だったのではないか。

 

東大以外受験していないので、必然的に浪人生となる。彼にとっては予想していなかった展開で、しばらくの間はやる気をなくし、全国模試で一位を取ろうと少しも嬉しそうではなかった。夏頃からは再びやる気を出したように見えたが、一番心配したのは本番が近づいてきた初冬の頃。心因性のストレスから不定愁訴のような症状が出始め、無事に本番をこなせるのか心配になった。現役のときの、のんきな状態のときに合格していれば、とさえ感じた。しかし、入試には適度な緊張感も必要なわけで、あまりにも余裕で臨んでもよくないのかもしれない。

 

合格できたときは、奇跡ではないかと思った。実力は十分だとしても、どう採点されるのかはまったくわからないからだ。

 

これから、オンライン中心の授業の中、どんな未来を目指して精進して行くのかはわからない。ただ、部活動を継続できなかった中高一貫校時代に比べて、アウトドア系のサークル活動において、さまざまな形で勉強になっているのはとても良かったと思う。

 

最後にまとめるとしたら、次男の場合、勉強法は自分で確立する。数学は公式を丸暗記することは間違いだと信じ、公式の成り立ちから理解をして、長時間考えても解けない場合以外は先生に聞いたりせずに自力で解く。地歴については、徹底的に教科書を重視する。英語はどうしたのか、よくわからない。