終わりよければすべてよし

ひとり親卒業日記

一週間後にはひとり暮らし終了

いよいよ、一週間後にはひとり暮らしをしていた次男が我が家に戻ってくる。

 

思えば、息子が高校3年の頃、今のようなコロナ禍はまったく想像もできなかった。息子はよく自分の部屋で受験勉強をしていたが、隣りの部屋にいるお兄ちゃんがオンラインゲームに興じるたび、その笑い声がうるさくてたまらないと愚痴をこぼしていた。私に訴えてくれば、私から長男に注意をする。あまりにひどいときは、次男も直接お兄ちゃんに抗議した。それでも長男がゲームを止めることはなく、仲間と対戦しているのがそんなにも楽しいのか、どうしてもゲーム中笑ってしまうようだった。  

 

次男の高校では半強制的な放課後の講習を終えると、次男のようにまっすぐ帰宅する生徒と、学校に残りさらに自習をする生徒に分かれていた。息子はお腹が空いた状態では勉強に集中できないと言う。また、自宅でもきちんと集中できるタイプだったため、いつも講習後はまっすぐ帰宅した。

 

その頃はよく次男が言っていた。東大に入ったあとも勉強で忙しいのは変わらない。こんなにうるさい中で勉強はできないし、いつまでもお母さんのそばにいると中々自立できないような気がするから、大学に進学したらひとり暮らしをしたい、と。我が家から、駒場キャンパスも本郷キャンパスも決して日帰りできない距離ではない。だが、もし自宅通いになると、恐らく一番遠い方にはなる。それでも当時は、進学後は次男の希望通りにしようと考え、合格発表前からアパート探しを始めた。吉祥寺に良い物件が見つかり、そこに決めようと大家さんとも挨拶を交わしたその日の晩に、仲介の不動産会社から、あの物件は貸せないことになり、代わりに別の物件を紹介すると電話があった。合格発表の前夜のことだ。私は正式な理由や説明がないことに納得が行かず、その不動産会社にひどく嫌悪感を抱いた。どちらにせよ、翌日の合否結果が確定しないうちは、決めようがないのだ。

 

結果、翌日の合否は以前ブログにも記した通り。

 

息子がSNSで一番仲良くしていた友人に、東大専門校舎を紹介され、他を見学もしないままあっさり予備校を決定。日本全国から集まるところらしく、寮も完備されているがその額、なんと一年で180万。息子もあまりに高すぎると感じたようで、がんばって電車通学すると決めた。それを聞くやいなや、長男は残り一年の大学生活を、大学近くのアパートに住むため、あっという間に物件を決めてきた。あとで次男から聞いた話だが、彼が東大に合格したとき、お兄ちゃんからこんな電話があったそうだ。

「おめでとう! お前、ほんとすごいよ、東大に受かるなんて。一年前はごめんな。もしかして俺がうるさくしたせいで、お前が現役のときに落ちちゃったのかと思って。ほんと、悪かったと思ってる。」

「いや、あれは決してお兄ちゃんのせいなんかじゃないから。大丈夫。」

 

我が家は木造の一戸建てだが、やはり鉄筋コンクリートと違い、音は普通に響く。木の家の方が身体に優しいイメージはあるが、まさか受験時にこれほど音でもめるとは予想もしていなかった。

 

そして、一年間異様な満員電車で予備校まで頑張った甲斐もあり、一浪後には晴れて合格。合格発表のあとから急いでアパート探しを始めたのだ。そして、今度は永福町に良い物件を見つける。契約も完了し、あとは引っ越すだけとなった4月当初。東京で緊急事態宣言が発令され、春学期の授業は完全オンラインと決まった。コロナという未知の病にさすがに私も心配になり、息子に話してもう少し状況がよくなってから引っ越しをしよう、ということになった。結局は、実際に住まずに無駄に家賃を払うことになり、秋学期から対面授業が始まると決定してから、新たに物件を探そう、今のところは解約しようとなった。

 

そんな中、社会人となった長男が、自宅から会社に通いたいと言う。そのタイミングがもし、私がひとり暮らしをしている最中なら喜んで彼を迎えただろう。

 

しかし、そのときは次男の初の定期試験の直前だった。昼間は仕事でいない長男も、残業はほぼなく帰宅し、夜の10時頃から再びオンラインゲームで笑い始める。それに再びキレた次男は、こんなんじゃ前と全く変わらない。オンライン授業でも課題やレポート等で夜もたくさん勉強する必要があるから、お兄ちゃんがこのまま自宅にいるなら、僕は秋学期からやっぱりひとり暮らししたい、と。

 

それで仕方なく再びアパート探しに奔走し、前とは違う地域で新たに物件を見つけた。息子の予想通り、秋学期はわずかに対面授業も始まり、サークル活動もOKになった。

 

ちょうど時を同じくして、長男もようやく上司の説得に応じ、会社近くの社宅に引っ越すことに決まった。我が家から通うと朝の6:30には車通勤しないと間に合わないし、何より会社が6割も家賃負担をしてくれる。社員は普通、社宅から通っているのだ。

 

そんなこんなで、昨年の9月末から私は、人生初のひとり暮らしを始めることとなった。それがどんな生活となるかは、予想だにできなかったと言えよう。 

 

一番豹変したのは食生活。私のこれまでの人生の中で、これほどいい加減な食生活を送ったことは一度もない。コンビニ弁当、ガストの宅配、外食、食パンとコーヒーだけの朝食が2日以上続くこと。たまに手作りしても余るので、何日も続けて同じものを食べ、最後は捨てる。野菜不足どころか、タンパク質不足。食欲が減退した時期もあったが、ステイホームを貫いたのもあり、体重はむしろ増加。一方、私よりはるかに頻繁に自炊していた次男は、ひとり暮らしをして何キロも痩せたようだ。

 

さあ、こんないい加減な食生活を送るのもあとわずかだ。今日は久しぶりに炊き込みご飯を炊いた。豚バラ肉、生姜、人参、椎茸を、あきたこまちのお米で炊いたら何と美味しいことか。作り方はとても簡単なこのメニューも、材料は長男や父が買ってきてくれたものだ。今は自宅をプチリフォーム中のため、駐車場にマイカーを置けずに、しばらくスーパーに行けていない。そうでなくても、猛暑の中の車の運転は、パニック持ちの私にはかなり危険だ。

 

思いの他、長文になってしまった。

 

先日、娘夫婦の和装での前撮り撮影も無事に終わり、少し一息つけた。

 

あとは今月末のワクチン接種に向け、体調を整えるのみだ。