終わりよければすべてよし

ひとり親卒業日記

第一回目のコロナワクチンを接種して

つい先日のことだ。

 

私は自宅からほど近いかかりつけの病院で、今の世の中を席巻しているコロナウイルスに抗体をつけるべく、第一回目のファイザーワクチンを受けた。私はおよそ1年以上前からパニック発作を患うようになっていたため、当日はかかりつけ医の勧める通り、娘に付き添いを頼んでいた。世間ではコロナ禍になってからというもの、ほとんどの人がマスクをつけている。だがしかし、パニック発作の引き金となりやすいマスクを、私は簡単につけることができない。一応、外出時に必ず携帯こそしているが、実際に無理につけると、ほぼ必ずと言っていいほど、息苦しくなり、動悸がしたり、血圧が上昇したり、めまいを起こしやすくなるのだ。

 

ワクチン接種後のさまざまな一般的な副反応については、あらかじめ知識を入れておいた。しかし私の場合は、翌日になっても、発熱も倦怠感も腕の痛みも頭痛も、ほぼないに等しい。副反応がひどくないのはありがたい。だがそれでも、3週間後に予定された2回目の接種は気が重い。

 

というのも、接種するために病院に入り、出るまでの間、ふだんはつけないマスクをずっとつけている。周りから見れば当たり前のことでも、今の自分には拷問に近い。

 

私は接種後15分経ち、いわゆるアナフィラキシーショックはないため、一階のロビーに降りた。そして病院を出ようとするその時、かなり気分が悪くそのまま帰宅してよいか不安になった。

 

幸い、その日はいつものかかりつけ医がいる日なので、念のため診てもらおうと考えた。病院内にある血圧計で測定をしてみると、上が215の下が111。脈拍は100を超えていた。

 

あとで調べてわかったことだが、接種後に頻脈や血圧上昇、パニック発作の出現、という事例はあるようだ。

 

結局、緊急でかかりつけ医に診てもらうことはできず、持参してきた抗不安薬を服用し、なんとか次第に落ち着いてきた。

 

順番を待つとかなり遅くなりそうだったため、お薬の処方だけされて、娘の運転で自宅に帰った。

 

家の中に入る頃には、脈拍も73と落ち着き、だいぶ身体も楽になった。

 

結局のところ、未知のワクチンを受けるというストレスと、あまり冷房も効いていない中でマスクをつけっぱなしにしなければならないという縛りによるストレスのために、軽いパニック発作を起こしたような形だ。

 

過去にもパニック発作で救急搬送されたことはあるが、時間で落ち着くため、基本的に病院は何もしてはくれない。

 

次回も同じ病院で接種をするしかないので、事前にいろいろと対策を練ろうと思う。

 

パニック患者がコロナに罹患したら、それこそパニック発作を誘発しかねない。ひとりで自宅療養も怖いし、狭い空間で窓すら開けられないビジネスホテルに缶詰状態も厳しいだろう。

 

やはり、実際に罹患するよりもはるかにましなのだから、少しの有効性にも賭ける思いでワクチンをきちんと2回接種するしかない。

 

今こんなご時世になり、夫がこの世にはもう存在していないことが、ある意味救いのような感覚さえある。

 

あんなにお出かけが好きだったひとが、ステイホームなんて考えられないだろう。

 

そう、まだ蒸し暑さの残る晩夏の夜空を見上げて、ふと天に想いを馳せるのであった。