終わりよければすべてよし

ひとり親卒業日記

奇跡の卒業認定発表

本日、ついに長男の大学で、卒業認定の合格発表があった。

 

長男は、一般の私立高校に進学したあと、そこで不適合があり、仕方がなくスクーリング型の通信制高校編入した経緯がある。そこは、実質まともな授業を行なっているとはいえず、ただひたすら英検2級の取得ばかりを促し、取得できたひとは上智大学公募推薦へ。例年1人くらい不合格にはなるが、たいていは合格できる。しかし、2級を取得できないひとも一定数はいる。そのような生徒は基本、放置だ。中には、親子で長期間のボランティア活動に精を出し、明治大学の推薦入試に合格した例まである。

 

息子は、というより、親の私の方が困り果て、高校卒業後長男がどのような進路に進むべきか、カウンセラーにまでお世話になり、いろいろと熟慮した。パソコン関係が得意な長男。一度はIT系の専門学校も考えた。そこは高い就職率を誇る。だが長男は、そういうところの就職先はたいていブラック企業だから、とあまり興味を示さなかった。また、3年制のその手の専門学校は、私立文系の大学の学費より高い。それがうまく活かされるならいいが、実際は入学してみないとわからない。結局は、やはり大学進学をと思い、さまざまな推薦制度を調べてみた。長男の通う高校では、一般受験は100%無理な様子だった。

 

そしてようやく見つけた推薦制度。そこなら、合格の可能性が高かった。

 

結果、合格できたときは、本人以上に私の方がホッとしたものだ。そして、もうあとは心配いらないと勘違いをしていた。

 

長男は大学自体はとても気に入り、仲の良い友達もたくさんできた。しかし、すべての授業に真面目に出て、教授の話を聞いたりノートを取ったりしても、内容がさっぱりわからなかったようだ。

 

果たして、単位の取得状況は惨憺たるものであった。一番ひどいときは、22単位申請して、わずか8単位しか取れない学期もあった。このままでは無事に4年で卒業できるのか? 私は再び、かなり心配をすることになる。

 

そんな私の心配をよそに、本人はいたって気に病んだりしない。

「ま、いつかは卒業できるだろ。」

などと微笑んで言うのだ。

 

そして、一年が過ぎ、二年が過ぎて行った。

 

本人にとって、一番の良い転機になったのは、素晴らしいゼミの教授に出会えたこと。つい先日も、先生に食事をごちそうになったらしい。同じ学年のゼミ生の中でも、一番可愛がっていただいたのだ。

「俺、年上のひとにウケるのかも。」

なんてまた、微笑んで言う始末。

 

そして、途中からようやく単位をたくさん取れるようになり、AやAAもわりと取れるようになった。

 

今回は、4年生最終学期。必修科目も合わせて全部で18単位は必要だ。

「4年の後期にそんなに残っているなんて、普通は相当焦るでしょ。」と一番上の娘が言う。しかし、どういうわけか、ある意味大物というのか、長男は焦ることがないのだ。いつだってマイペースで、自分の好きなこと、やりたいことに没頭する。改めて息子が残した授業のノートを見ると、統計学やらゲーム理論やら、あれほど数学が苦手な長男が、よくまあ単位がきちんと取れたものだと感心してしまう。

 

それでも、最後の卒業認定が発表されるまでは、本当に不安だった。

 

そして今日、晴れて4年で無事に卒業できることが判明したのだ!!

 

こんなに嬉しいことはない。たとえ、普通の学生には当たり前のことでも。

 

息子の大学では、残念ながらコロナウィルスの影響で、卒業式は挙行されない。しかし、「めんどくさいから、かえって良かったよ。」なんてつぶやく息子。

まあ、この何事も気にしない性格は、少し分けてもらいたいくらいだ。

 

何はともあれ、我が息子よ!

 

「大学卒業、おめでとう!!」