終わりよければすべてよし

ひとり親卒業日記

2020-01-01から1年間の記事一覧

東京の街並み

東京の朝。 自然と空が目に入る。 青い空に白い雲が映える。 心なしか、田舎で目に映る空よりも綺麗かのように見える。 それには理由がある。 あまりにも街並みが雑多で見ていて美しくは感じないために、自然と空が目に入り、妙に美しく感じるのだ。 たとえ…

2020年を振り返る

今年一年を改めて振り返ってみよう。 1月 センター試験最後の年。 次男にとって2度目の試験。2日目すべての試験が終了すると、次男の体調が悪化。幸い救急車を呼ぶには至らず。緊張がマックスで体調にまで影響が出る中、リスニングを除き838点を獲得。いくら…

もう少しでひとり親卒業

まもなく、三人きょうだいの末っ子である次男が二十歳の誕生日を迎える。 公的な意味でのひとり親とは、未成年の子をひとりで養育する父親、または母親のことを指す。 その意味で私は、末の子が二十歳になると、晴れてひとり親を無事に卒業したことになるの…

13回目の命日を控えて

お父さん、 ここ一か月は、数えたわけではないけれど、本当に良く泣いたよね、私。 考えてみたら、お父さんが亡くなってから、命日反応が起きやすい十一月をたったひとりで過ごしたのは初めてだったんだね。 なんだか、久しぶりに目が腫れるほどよく泣いたと…

「光と影  〜花火によせて〜」

「どーんと鳴った音で 目が覚めた そうだ 子供たちと 花火を見に行くんだっけ 今年からもう 送迎者はいないから 四人揃って 自転車で出発 途中 実家に停めて そこから歩く ふと 目に飛びこんで来たのは 夫とさんざん歩いた小道 万感 胸に迫るる想い 涙は夜の…

短編小説 その三

短編小説と銘を打ってみたはいいが、やはりなかなかきちんと主軸を定めて書くことは難しい。ここはあくまで、各人が自由に思いのままを日記のように綴る場なので、このシリーズで書くのは今回を最後にしよう。 貴美子は今、朝から車で5分くらいのファミリー…

短編小説 そのニ

午前2時。 あまりにも遅すぎる。 貴美子は、娘の尚子から話を聞いて驚いた。尚子の勤めている会社はもともと右肩上がりで伸び続けていたが、このコロナ禍の中でなぜか一層需要が高まり、とどまる所を知らないといった勢いでますます伸び続けている。 それに…

短編小説 その一

貴美子は今、地元に新しくできた「コメダ珈琲店」に立ち寄り、遅いランチとお茶をしている。 時間はすでに午後ニ時を回ったところだ。子供たちがいた頃、こんなに遅い時間に昼食を摂ったことなどあっただろうか。 つくづく最近気がつき始めた。今まで全部、…

次男のひとり暮らしの奮闘ぶり

最近、受験終了組というカテゴリーにいていいのかよくわからないような話題が続いてしまった。本当は、他に書きたいことがずっとあったのだ。 以前書いたように、次男は春学期の間は自宅で東大のオンライン授業を受け、夏休みが終わる前に秋学期の対面授業に…

まもなく婚約指輪を選ぶ日

先日、娘がある資格試験を受け終わった。 その試験は年にたった一度しかなく、今年は密を避けるために、一部のひとは違う問題で12月に試験を受ける。 どうもその資格は、以前は合格最低点が一定していたために、問題が易しい年は合格者のレベルも下がり、難…

あと3か月半で再び二人暮らしに

前回の記事を書いたあと、息子とも電話でいろいろと話をし、私の中でも腑に落ちた点はあったので、いつまでも愚痴めいた内容を残してもと思い、削除した。 そして、先日、息子からこんな提案があった。娘も長男も、大学進学後、今頃はすでに車の運転免許は持…

「3人のシングルマザー」木村多江出演を観て

本日、ちょうど録画をしていた、実話をもとにしたドラマを一部観た。もしこれから観る予定の方にはネタバレになるので、あとで読んでいただきたい。 まず、第一話は木村多江さん主演で、夫と死別後、ひとりで2人の息子さんを育て、見事2人とも東大に入学し…

いよいよ初めての一人暮らしスタート

昨日、ようやくひと通りの次男のアパートの掃除を終えて、自宅への帰途につこうとした。すると、ちょうど息子も、実家で「半沢直樹」の録画を見て、アパートへと戻るために電車に乗り、早くも最寄り駅に到着しようとしていた。 「夕飯はどうする?」と、少し…

本当に頑張り通した上半期

先日、次男の大学で、Sセメスター(春学期)の成績が判明した。 彼の大学の場合は、長男の大学のときとは違い、保護者宛てに紙の成績表が郵送されることはない。 しかも、毎回毎回、長男のときのように、どれくらい必修科目の単位が取れたか、どれくらい落とし…

40年以上ぶりの夜中の嘔吐

ウッと思わず目が覚めたとき私は、咄嗟に身体を起こしていた。一瞬、何が自分の身体に起きたのか理解しがたかったが、どうやら戻してしまったようだ。なんとなく唇のあたりやパジャマの前身ごろを触ると、ベチャッとした気持ち悪い感触がある。 「え、いま私…

居場所が変わるということ

まもなく、引っ越しの日がやってくる。 以前、娘が言っていたように、引っ越しとはなんと面倒くさいことだろう。やらなければならないことはたくさんあるはずなのに、一向に身体が動こうとはせず、こうして横になりながら、文章を書いている。 ありがたいこ…

理転を視野に入れるか

東京大学というところは不思議なところで、一般の大学ではあまり考えられないが、文系に入学してから理転をしたり、逆に理系に入学してから文転をする学生もいる。 先日、定期試験後に提出予定だった課題論文もようやく終了し、完全に夏休みに入った息子。あ…

改めて次男の受験を振り返る

今日は珍しく、我が家の近くの焼肉屋さんに息子と出かけた。他にお客さんは、誰もいなかった。ふだん、めったにお酒は飲まない私だが、今宵は久しぶりにグレープフルーツサワーを薄めに作ってもらう。それでもグラス半分飲むのが精一杯で、そのくらいの量で…

東大のオンライン定期試験終了

7月末に、次男の大学でのオンライン定期試験が終了した。 それについても書きたいことはあるが、最近ずっと、これまでで最も睡眠の状態が悪く、おかげで日中もかなり調子が悪い。それでも、普通の家事以外に、やるべきことが山ほどあって、それに押し潰され…

東大1年生の次男の近況

先日、次男がこんな言葉をかけてくれた。 「春学期、こんなに勉強に集中して頑張れたのは、お母さんのおかげだよ。ご飯の用意とか洗濯とか、ありがとうね。」 本来は自らやる勉強の方が好きなはずの息子が、東大に入り、正直ここまで勉強に集中するとは予想…

さまざまに交錯したそれぞれの進路

あれから、そう、前回の記事を書いてからだ。実にいろいろな急展開が起こり、なかなか落ち着いてブログを書ける状態ではなかった。 まず、初日こそご機嫌で帰省したはずの長男は、3日目あたりから豹変を見せた。私が何か特別にひどいことをしたわけでもない…

長男の帰省

つい先日、引っ越しを考えるか検討中という記事を書いた。 それからほどなくして、ひとり暮らしをしている社会人の長男から、連絡があった。 「平日は、そっちから会社に通ってもいい?」と。 「もちろんだよ。あなたのアパートから会社までは、片道約100キ…

東大のオンライン定期試験

東京大学は、今年の3月に、4月あたまから通常通り、授業を開始。春学期の間は完全オンラインで行うことを早々に決定した。 実際に履修登録をしようとすると、なんと不開講の科目も多数。教授の中には、入念な準備をして取りかかりたいから、秋学期に間に合う…

引っ越しを考えるか検討中

次男の大学受験が終了し、カテゴリーも終了組に移した。最近は、なかなか書こうとする内容が思い浮かばない。 ただひとつ、迷っていることがある。 それは、今年の秋以降、自分の所在をどうするかだ。 今はまだ、東大の方も、秋学期の授業をどのような形態に…

ロンドンで観た「レ・ミゼラブル」

イギリスの大学に交換留学生として一年間通学していた当時、ロンドンを訪れたのは数回だけであった。 そこの大学はロンドンから100キロほど離れており、電車を使えば1時間で到着できる。一年もあれば、いつでも行きたいときに行けるだろう。そう考える留学生…

朝ドラ「エール」に癒やされて

ふだん、朝のNHKテレビ小説「エール」を、録画予約しておき、都合のいい時間に観ている。 ここからは、今週放送された内容のネタバレにもなるので、これから観る予定の方は注意してほしい。 さて、今日の金曜日の放送では、いよいよ、今や有名な早稲田大学の…

「逃げたい」という感情

ひとはそもそも、どんなときに「逃げたい」という気持ちに陥るのだろうか。 数年前、ひとりで用事があり電車に乗ると、よくこんなことを思った。 「ああ、このまま当てもなく行けるところまで電車に乗り、どこかに行ってしまいたいなあ。」と。 自分の置かれ…

母の日

今日は、母の日だ。 数年前の今日、亡き夫のお墓参りをしたことがあった。捧げた花はカーネーション。思えば夫は、まるで私にとって、育て直しをしてくれた母親のような存在でもあった。そんな感謝の気持ちも込めて、あえて父親である夫に、母の日のカーネー…

得点開示の結果

本日、暴風雨の中、東大より得点開示の結果が届いた。 息子が、自身の大学受験の集大成だといい、楽しみに待っていた結果だった。 開けてみると、期待通りの、いやそれ以上の出来栄えだった。 一次と二次を合わせた総合点の点数は、現役時より40点近くも伸び…

旧家に生まれて

思えば旧家というのは、何代くらい続いてきた家を指すのだろうか。 具体的にはわからないが、少なくとも桜子の家は、地元ではわりと知られた旧家のひとつであることは間違いなかった。 桜子の家では代々商いを営んでいた。古くは、余裕のない家にお金を貸す…