終わりよければすべてよし

ひとり親つれづれ日記

いよいよ初めての一人暮らしスタート

昨日、ようやくひと通りの次男のアパートの掃除を終えて、自宅への帰途につこうとした。すると、ちょうど息子も、実家で「半沢直樹」の録画を見て、アパートへと戻るために電車に乗り、早くも最寄り駅に到着しようとしていた。

「夕飯はどうする?」と、少し早めの時間ではあったが、お互いにラインでやりとりをする。息子は駅前の小さなラーメン屋さんで食べようとしているとわかり、一緒に食べることにした。ガスコンロの拭き掃除も完璧に終えた頃、ふと玄関の鍵を開けて外に目をやると、偶然にもちょうど彼が歩いてきた。

半沢直樹、すごく面白かったよ。お母さんも帰ったら見てね。」

うん、いつもなら楽しみに一緒に見ていたが、今回は私が久しぶりの気功治療があったため、私が息子のアパートにひとりで泊まり、息子は実家でひとりで過ごしていたのだ。

どうも私は、たとえひとりでもアパートのワンルームでは途中覚醒し、吐き気もしてしまう。やはり、実家に戻った方が良さそうだ。   小さなラーメン屋さんには、他にお客さんはいなかった。しばらくこんなふうに、外で二人でラーメンをすすることもなさそうだ。

息子は帰りにスーパーに寄るために自転車で来ていた。

私は気功治療の効果のおかげで、ようやく最寄り駅から私鉄に乗り、JR線のある乗り換え駅までひとりで帰ることができる。それまでは、誰かと一緒か、タクシーでも使わないと、冷房が弱めの私鉄にすら乗ることができないほど体調が悪かった。春先も辛いが、残暑の厳しい9月初旬の引っ越しもまた、たいへんであった。こんなときは、高速道路の運転が得意だった夫がいれば、電車より速く東京まで寝ている間に着いてしまい、なんと楽をさせてもらっていたかと思う。

帰りの電車内で息子とラインをしていたら、こんな言葉を書いてくれた。

「今までひとりでたいへんなのに育ててくれてありがとうございました。今、東大で元気にやれているのはお母さんのおかげだよ。これからも迷惑かけると思うけど、よろしくお願いします。」

思わず、目頭が熱くなった。

ああ、これからは本当にひとりなんだな。でも、巣立つときにこんなに立派な言葉を伝えてくれたのは、この子だけだったな、としみじみ感慨にふけった。

乗り換え駅まであっという間に着き、電車を乗り換え、さらに途中で快速にも乗り換え、最終地点に着いた。そして、荷物もある中、もう急ぐ必要もなく、元気に家路へと20分ほどの道のりを歩いて行った。

誰もいない家に帰る。

寝しなに、ふと夫の気配を感じる。いつか誰かに言われたっけ。 「あなたは将来、たとえひとり暮らしになっても、常にご主人が見守ってそばについていてくれるから、本当のひとりになることは決してありません。」

気配を感じて安堵したのか、すぐに眠りにつき、そのまま朝まで目が覚めることはなかった。

三人きょうだいの末っ子である次男が、小さな頃から唯一ママっ子でいた息子が、本当に巣立つのはやはり淋しい。

今夜は疲れて、排水溝のお掃除だけは頑張れたものの、夕飯はすき家のドライブスルーへと、ひとり分のごはんを買いに出る。一方の次男は、前の晩に買い出した材料で焼きそばを作るようだ。

夫が伝えた焼きそばの味。6歳までの遠い記憶が、しっかりと好物として残っている。もちろん夫は焼きそばだけを振る舞っていたわけではないが、こんなに長く愛される料理となるとは。

マルちゃん焼きそばって、安いんだね。3人前で170円で済むなんて。

そこにキャベツやもやし、豚肉を合わせて仕上げる。

夫が好きだったウスターソースは誰も使わないようだ。

数字に強い次男のこと。上の二人のように、きちんと家計簿アプリをつけなくても、どんどん物の値段を暗記していきそうだ。

ひとり暮らしは確かにお金はかかる。だがやはり独身のうちに一度くらいは、経験するべきではないかと思う。実家にいたら、知らずにいたことは山のようにあるからだ。

実家でゴミ出しの手伝いなどほぼしたことのない息子が、収集日や分別の仕方を覚え、朝も早い8時にはきちんと自分で出していた。     本棚も机も椅子もラックも、全て自分で、わずかに私も手伝いながら、ほぼひとりで組み立てた。

東大に通うのは、わずか2コマ。しかも隔週。しかし、周りが静かな環境で、家事と並行しながら再び秋学期も頑張れそうだ。

春学期の成績は、86.5/100点を総合で取れた息子。これはおそらく上位10%以内に入るほどの出来だそうだ。現役であと一歩届かなかった東大に、一浪後は上位層の点数で合格し、初めて出た成績もまた素晴らしい結果を出せた。自宅で頑張れるのはやはり強みかと思う。

しかしあまり点数を意識すると、本当に学びたい科目を取らなくなるから、やはり初心に返り、経済学部を目指すかもしれないという。文系出身者が工学部計数学科で物理を一から学ぶのは、やはり相当きついようだ。

振り返るとこの13年近く。やはり、私は頑張れたのかな?

立派に成長してくれたそれぞれの我が子を見て、これ以上は心配しすぎないように気をつけながら、今宵は床につくとしよう。