術後3か月健診までの1か月
しばらくブログを書けずにいた。
つい先日、くも膜下出血の手術後3か月健診があったのだが、そのちょうど1か月前に、めまいがひどくなり同病院を受診したのだ。その診察のときに私がこう話した。
「めまいは元から起きることがありましたが、この季節にひどいのは珍しいです。なんだかこの病気にかかってから、わずかな身体の不調でももしかしたら脳に問題があるのかと、過剰に不安になりがちなんですよね。」
それを聞いて先生はこう言った。
「でしたら、今ちょうどMRIに空きが出たので、ついでに検査もしておきましょうか?」
それは予定外の検査だったが、念のために受けることになった。結果を聞くまでは、さほど心配などはしていなかった。
結果はすぐに判明する。
ちょうど次男に送迎してもらい来院したので、息子も一緒に聞くことになった。
先生が拡大画像を見せながら、詳しく説明する。コイルの中にわずかに血流が見られます。つまり、再発ですね。
え? 再発???
このまま次回の健診まで様子を見ましょう。血流が増えてくるようだと、場合によってはカテーテルで、血管にステントを留置する手術が必要になるかもしれません。ステントを入れると、脳梗塞のリスクが高まるから、手術前2週間と、手術後半年間は、血液をサラサラにするお薬を何種類も毎日服用してもらいます。動脈瘤の場所が場所だけに、万が一脳梗塞になると、脳の半分が全部やられますから。
えーっ? 入院中からずっと順調とか、奇跡的な回復といろいろなひとに言われ続けていただけに、私にとっては青天の霹靂だった。
それからの1か月というもの、ほぼ毎日のように、めまいやパニック発作が起きた。気圧の変動もあったと思うが、主な原因はやはり精神的ストレスだろう。
そして、いよいよ術後3か月後健診。
MRIの結果を見て、先生が早口で淡々と説明する。
「前回から変化なしですね。はじめに起こした脳梗塞のあとももう心配ない状態ですから、血液をサラサラにするお薬はもう不要です。目ももう二重にはみえませんよね? ではこちらのお薬ももう終了です。次回は3か月後ですね。 」
話を終わらせようとする先生に慌てて私は質問する。
「あの、この前おっしゃっていた血流の方は?」
「前と同じです。増えてもいないし、減ってもいません。」
「ではステント手術の件は?」
「必要ないです。」
そんな風にあっさり診察は終わり、あとは看護師さんと次回の健診の予約をした。
この1か月、いったい何だったんだろうか?
どれほど自分の身体を心配し、過剰に不安になり、実際にパニック発作も悪化した。途中、救急車にもお世話になったり、何度めまい用の点滴をしたことだろう?
いざというときのために、セカンドオピニオンを聞くことも考え、東京の大きな病院にも打診の電話をしたりもした。
脳内にステントを置く手術が日本で認可されてまだ約10年だ。長期的な影響はまだ医師にもわからないという。
再破裂のリスクと、脳梗塞になるかもしれないリスク。せっかく今、何の麻痺も後遺症もない身体なのだ。全面的にサポートしてくれる伴侶もいないし、子どもたちに迷惑がかかるような生き方だけはしたくない。元気があってこその長生きだ。
歴史ある病院に比べ、新しい病院ほど、新しいやり方を試したくなる傾向にあるという。私の入院した病院は、まだ設立して10年ちょっとの新しい個人病院だ。医師は確かに名医を集めたようだが、いろいろと信頼できない点も多い。
今はただ、次回の健診も何事もないようにと願うばかりである。